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クロスオーバーのC-HR!トヨタの意気込みを感じる変わり種

斜め前方から見た黒色のトヨタ・C-HR

2016年12月24日に発売されたトヨタ・C-HR。2017年上半期の統計で国内スポーツタイプ多目的車(SUV)新車販売台数1位となり、人気・知名度ともに急上昇中の車種だ。SUVながらサーキットで披露されたクロスオーバーの変種C-HRについてご紹介する。

2017年10月12日:用字用語の整理。

サーキットで公開されたC-HR

ニュルブルクリンク24時間耐久レースで激走するC-HR racing

C-HR(シーエイチアール)はトヨタが製造・販売する新型のクロスオーバー型SUVだ。クロスオーバー型SUVとはモノコック*1構造を持つスポーツ・ユーティリティー*2・ビークル*3である。要は乗用車を原型に走破性を高めた車と換言できる。

クロスオーバー型の始祖はソ連*4時代のラーダ・ニーヴァ、国産ではスバル・レオーネなどがある。現在の自動車市場においては充実した車種である。C-HRの競合としてはホンダ・ヴェゼルやマツダ・CX-3などを挙げることができる。

後発となったC-HRの注目すべきは、開発の詰めをドイツのニュルブルクリンク24時間耐久レースに「C-HR Racing」を参戦させることで行なった点だ。「市販予定のSUVでレース」と衝撃を与えたが、C-HRはトヨタのSUV世界戦略車として、意のままに操れることを煎じ詰めて開発された。

ラリー*5界でもトヨタは18年ぶりにWRC*6への参戦を再開した。ここに投入された車種も日本の小型車の代名詞であるヴィッツで話題性十分であった。それにも増してC-HRでのレース参戦は抜群の意外性だった。

C-HRでのサーキット走行を可能としたTNGA

斜め後方から見た黒色のトヨタ・C-HR

TNGAをご存じの方も多いかもしれない。「Toyota New Global Architecture」の略称で「トヨタの新しい車両作りの方針」のことである。現在の自動車造りの大前提は「世界的視野」で、「安くより良いものを提供」することである。国内・国外各社が同様の手法を取り入れている。

TNGAを要約すれば、そのプラットホーム*7と呼ばれる骨格、高熱効率・低燃費の新エンジン、構成部材をできる限り多車種間で共用させることにある。骨格の部分ではTNGAに基づいて、FF*8車用に部品の共用が容易なCプラットフォーム、Kプラットフォーム、Bプラットフォームが開発された。これで生産台数の半分を賄えるそうだ。

一例として、Bプラットフォームは2018年以降ヴィッツなどに採用。Kプラットフォームは先日登場したばかりの新型カムリに採用されている。そして、CH-RやプリウスはCプラットフォームが共用されているのだ。

堂々たる押し出しのC-HRの骨格がプリウスと同一だとは信じられないくらいだ。しかし、サスペンション*9取り付け部のスペーサー*10を外すことで重心が下がる。その上プリウスと同サイズのタイヤが使用可能になるなど、TNGAの部材から最適な組み合わせでレース用C-HRが完成したのだ。

市販型C-HRの走りはどうか?

斜め後方から見た黒色のトヨタ・C-HR

C-HRはプリウスと同じCプラットフォームを骨格に使用しているとお伝えした。過去にもマークII3兄弟、カローラ・スプリンターなど、かねて骨格を共有して多車種を展開するという手法は見られた。しかし、これらはホイールベース*11、トレッド*12は共通しており、着眼点をここに絞り込めば、同一の骨格かを判別することができた。

しかし、TNGAは違う。C-HRとプリウスではトレッドは同一だが、ホイールベースはC-HRが2640mm、プリウスは2700mmである。サスペンション形式は前輪ストラット、後輪ダブルウィッシュボーンで共通だが、単純に上物を載せ替えただけでないことが見て取れる。意のままに操れることを突き詰めたC-HR、その操縦性・乗り心地は高い評価を受けている。

駆動方式はFFと4WD*13が設定されている。搭載のエンジンは駆動方式によって異なる。FFが98PS*14の1・8L+ハイブリッドカー*15、4WDは子会社であるダイハツが開発した116PSの1・2Lターボチャージャー*16となる。ともにTNGAに基づいた高熱効率・低燃費のエンジンである。 この出力を無段変速機CVT*17を介して駆動するが、車重は1440kgから1470kgとなるため、どちらのエンジンもあふれるような出力感とはいかない。高い操縦性を満喫できる必要最小限の出力といってよいだろう。

まとめ

トヨタ・C-HRの内装

C-HRの売れ筋はFFの上級グレード「G」だそうだ。JC08モードでのカタログ*18に掲載される燃費は格差が大きく、FFの1.8L+ハイブリッドが30・2km/L、4WDの1・2Lターボだと半分の15・4km/Lとなる。個人的には1・2Lターボに興味津々だが、さすがに燃費性能が半分であれば考えものだ。価格はFFが4WDよりも高いもののFFが売れ筋である。この燃費の良さが理由に他ならない。C-HRは税込み251万6400円~290万5200円の価格帯となる。

「SUVの皮を被った乗用車」の趣が強いクロスオーバー型SUVには食指が動かない方も多いと聞く。どっち付かずの中途半端な印象を受けてしまうそうだ。ところが、「C-HR Racing」の勇姿を見せ付けられて、「ここまでできるクロスオーバー型SUV」ならときびすを返す向きもあるようだ。

2017年8月2日には屋根部分を塗り分けたツートーンカラー*19仕様が追加発売されたばかりである。このまま人気が維持されれば、より「C-HR Racing」に近い車種の追加も期待できるかもしれない。強力なエンジンと6速MT*20、ローダウンなどにほのかな期待を寄せてしまう。

ちなみに、自らの精進も忘れてはいけない。ちゃんとはきはきしたおっさん「C-HO」を目指すとしよう。

(出典:トヨタ自動車株式会社

*1:【monocoque】自動車などで,車体とフレームが一体になった構造。単体構造。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*2:【utility】役に立つこと。使い勝手がいいこと。有用性。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*3:【vehicle】 乗り物。特に,自動車。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*4:1917年ロシア帝国における十一月革命で誕生した世界最初の社会主義国。22年正式に成立した。ロシア・ウクライナ・白ロシア・エストニア・ラトビア・リトアニア・モルダビア・アゼルバイジャン・アルメニア・グルジア・カザフ・トルクメン・キルギス・ウズベク・タジクの一五共和国から構成され,計画経済のもとで発展し,アメリカ合衆国と並ぶ世界の超大国であったが,91年12月に解体。首都モスクワ。ソビエト。ソビエト連邦。ソ同盟。USSR 。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*5:【rally】指定されたスピード・時間で決められたルートを走る自動車レース。減点方式で順位を決める。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*6:【World Rally Championship】世界ラリー選手権。世界中のコースを使用して年 10 数戦行う自動車ラリー。1973 年開始。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*7:【platform】自動車生産で,異なった車種の間で共通に用いる車台。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*8:【和製語 front-engine, front-drive】自動車のエンジンの動力が,後輪にではなく前輪に伝わる方式。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*9:【suspension】自動車などで,車輪と車体をつなぎ,路面からの衝撃や振動が車室に伝わるのを防ぐ装置。懸架装置。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*10:【spacer】スペースをあけるために用いられるもの。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*11:【wheelbase】車軸間の距離。特に,自動車の前輪の軸と後輪の軸との間の距離。軸距。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*12:【tread】車両で,左右の車輪の中心間距離。輪距。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*13:自動車で,前後の四つの車輪すべてに駆動力を伝える方式。四駆。全輪駆動。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*14:【ドイツ Pferdestärke】馬力を表す記号。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*15:【hybrid car】複数の動力源を用いて走行する自動車。排気ガス規制地域を電気で,規制緩和地域をガソリン-エンジンで走る自動車など。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*16:【turbocharger】排ガスを利用してタービンを回し,混合気を強制的にシリンダー内に送り込んで圧力を高める,エンジンの補助装置。出力・トルクを高め,併せて燃費向上に役立つ。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*17:【continuously variable transmission】無段変速機。ギアを用いずに無段階で車のスピードを変えることができる。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*18:【catalog(ue)】商品や展覧会の作品の目録・説明書。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*19:〔和製語 two-tone+color〕互いに調和する二つの色を組み合わせること。ツートン-カラー。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*20:【manual transmission】自動車の手動変速機。