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2017年タイのソンクラーン祭りは、いつもと違うので要注意

ソンクラーン祭り

今年のソンクラーン祭りは、いつもと異なる様相を呈している。一つは、昨年10月にプーミポン前国王の崩御に伴い服喪期間中であること。もう一つは、軍政存続による規制の厳格化がある。それらを踏まえて、今年のソンクラーン祭りの注意点を見ていこう。

2017年7月17日:加筆訂正。用字用語の整理。

タイのソンクラーン祭りとは?

水でお清めをしてもらうタイ人男性

タイの新年で、この風習は元々仏像や仏塔に水を掛けて清め、年長者などの手に水を掛けて感謝する伝統的行事である。この時期にお寺に行くと、僧侶が水を掛けてお清めをしてくれたりする。

それが近年では町のどこを歩いていても全方位から水が飛び来る。そんな無礼講の水掛け祭りとしてタイ全国各地で繰り広げられている。

今年は4月13日から17日が5連休。このうち13日から15日にソンクラーン祭りが行われる。前日からフェスティバルが始まる所もあり、パッタヤー*1では12日夜から19日までと期間が長い。

バンコク*2に働きにきているタイ人の里帰りや旅行で、地方の幹線道路は一年で最も渋滞する期間でもあり、警察が手を焼くほど交通事故が多い。逆に、日常はあれだけ渋滞していたバンコクの幹線道路が閑散とする。

タイのソンクラーン祭りにおける一般的な注意点

この時期ならではの注意点がいくつかある。せっかくの思い出を台無しにしてしまわないためにも、備えあれば憂いなしだ。頭の片隅に入れておこう。

頭の先からつま先まで、ずぶぬれになる

とにかく、町を歩けば四方八方から水が飛来する。だから、ぬれてもよい服装や水着を内側に着用することをお勧めする。

ずぶぬれになるので、スマートフォン、カメラ、現金などはジップロックのような防水パックに入れて、防水対策はしっかりとしよう。

時にはぶったまげるほど冷たい氷水を掛けられる。そのままBTS(高架鉄道)やMRT(地下鉄)に乗車したりお店に入ったりすると、タイ名物の「冷え過ぎの冷房」の餌食になり風邪をひいてしまう。だから、タオルなども持っておくとよいだろう。

すりに注意しよう

ソンクラーン祭りのイベント会場は、とてつもない人であふれかえる。そのような場所では、すりが発生することもある。

だから、財布などの貴重品は、なるべく持ち歩かず必要な現金を防水パックに入れて、すり対策を万全にしておこう。また、万が一の場合に備えてパスポートのコピーをとっておくべきだ。

女性は痴漢に注意しよう

年に一度の一大イベントでもあるため、朝から酒を浴びるほど飲んで酩酊(めいてい)しているタイ人も多い。

だから、女性は人であふれかえっているような場所に行く際、痴漢行為にも十分注意しよう。どさくさ紛れに手が伸びてくることもあるそうなので、油断は禁物である。

交通事故に注意しよう

ソンクラーン祭りの期間中は、交通事故が多発する。飲酒運転をする人が通常よりも激増するからだ。

小路を猛スピードで走り抜けようとしたり、バイクの運転手にも構わずに水をぶっ掛けたりするために転倒事故に発展する可能性もある。

これらの無謀な運転や巻き添えにならないよう、用心するに越したことはない。

通常よりも早めの行動を

ソンクラーン祭りはタイ人にとってはお正月だ。ソンクラーン休暇を利用して海外旅行に出掛けるタイ人は非常に多い。

そのため、空港が大変混雑する。空港を利用する人は、空港までのアクセスや空港での出国手続きなど通常よりも時間がかかることを想定して、余裕を持った行動を意識しよう。

今年、特有のソンクラーン祭りの注意点

その時代背景により姿形を変えるものはあまたあるが、この祭りでも例外ではないと以下を見れば分かる。日本代表としてタイに訪れていることを忘れず、羽目を外しても、恥をさらすのだけはやめておこう。

カーオサーン通りでのソンクラーン祭りは中止?

どこよりも盛り上がるのはやはりシーロム通りと、バックパッカー*3の聖地カーオサーン通りではないだろうか。特にカーオサーン通りは、タイ人と外国人旅行者との水掛け合戦で毎年話題になる場所だ。

しかし、昨年10月にプーミポン前国王が崩御され、現在も服喪期間中である。当局の要請により、今年のカーオサーン通りでのソンクラーン祭りでは、肌が極度に露出する服装や水鉄砲の使用などを禁止するとの報道があったばかりだ。

ソンクラーン祭り本来の伝統に則した水掛けについては、カーオサーン通りでも許されるとのことだ。これらの事情で今年はいつもとはまた違った、ある意味斬新な「カーオサーン通りのソンクラーン祭り」の風景が見られるかもしれない。

ソンクラーン祭りに合わせて、道路交通法を改正

国家平和秩序評議会(NCPO)議長のプラユット首相は、交通事故の死傷者減少が思うように進んでいないとし、暫定憲法44条を利用して陸運法を改正することにした。

これまでは運転手および助手席の同乗者のみシートベルト着用義務があったが、運転手および同乗者全員にシートベルト着用を義務付けた法律に改正された。ソンクラーン祭りに合わせた4月5日より実施され、違反した同乗者からも罰金が徴収される。

また、ソンクラーン祭りの風物詩とも言える、ピックアップトラックの荷台へ水がめや水タンクを載せての水掛けを禁止するとの発表があったが、強い反発もあり期間中は実施されないことになった。

ソンクラーン祭りにアルコール飲料販売禁止?

この時期の交通事故が多いタイ。昨年の交通事故の内訳は事故件数3,447件、死者442人、負傷者3,656人である。当局がさまざまな取り組みを実施しているが、事故原因が飲酒運転によるものが大多数を占めている。

3月29日に開催された公開討論会において「期間中はアルコール飲料の販売を禁止すべき」と有識者からの提案がなされた。ただし、こちらは決定されたわけではなく議題に提案されただけだ。

過去10年間のソンクラーン祭りにおける死者数の推移

交通事故で大破する自動車

ソンクラーン前後1週間における交通事故の概要が以下である。

  交通事故 負傷者 死者
2008年 4,243件 4,803人 368人
2009年 3,977件 4,332人 373人
2010年 3,516件 3,802人 361人
2011年 3,215件 3,476人 271人
2012年 3,129件 3,320人 320人
2013年 2,828件 3,040人 321人
2014年 2,992件 3,225人 322人
2015年 3,373件 3,559人 364人
2016年 3,447件 3,656人 442人
2017年 3,690件 3,808人 390人

日本の人口が1億2700万人に対し、タイの人口は6796万人である。2016年の日本における1週間の平均死者数が約74・87人である。

1週間の人口に対する交通事故による死亡率の割合はタイが日本の約9・72倍になっている。タイのソンクラーン前後1週間がいかに危険かお分かりいただけるだろう。

対向車線の自動車に予想だにしない運転をされ、事故に巻き込まれたりすることも無きにしもあらずなので、移動手段は慎重に吟味してもらいたい。

まとめ

このように、軍政下において各般の法改正が行われている中での今年のソンクラーン祭り。情報収集を怠らず、トラブルに巻き込まれないように細心の注意を払ってほしい。

とはいえ、タイのソンクラーン祭りは、とても熱狂的で楽しいお祭りだ。ぜひ、あなたも参加してほしい。タイ人と無邪気に水を掛け合うことで、また、新たなタイの魅力に気付かされるに違いない。アメージングな「水掛けられる祭り」にならなければの話だが。

*1:【Pattaya】タイの中央部,バンコク南東のタイランド湾に臨む保養地。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*2:【Bangkok】タイ王国の首都。チャオプラヤ川河口から20キロメートル 上流に位置する河港都市。華僑が多く,米・チーク材などを輸出。宮殿や古寺院が多い。バンコック。〔「盤谷」とも当てた〕/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*3:【backpacker】食糧や寝袋を背負って旅行をする人。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)