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タイ料理の隠れた逸品!知る人ぞ知る美味3品をよりすぐり

クンオップウンセン

タイに興味が湧いてきたら、タイの食文化を突き詰めると、その土地に根差した歴史背景も知り得そうだ。タイ料理の種類は豊富でタイ語と同じく中国から伝来したものや海山に由来したものもある。今回はその中でもタイ通のみぞ知るタイ料理をご紹介したい。

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2018年4月12日:用字用語の整理。

多くの日本人に知られていないタイ料理

カラフルな2種類のスパイス

豊富な食材がそろうタイ*1では幾多もの調理法によって創作される料理を楽しむことができる。多くの日本人がタイ料理の印象を「辛い」「酸っぱい」などの先入観にとらわれているようだが、実は多彩な味付けの料理が存在しているのだ。

クンオップウンセン(กุ้งอบวุ้นเส้น)

ガイオップウンセン

タイ語の料理名には大抵材料や調理法が含まれている。クンオップウンセンとはクン(エビ*2)、オップ(蒸す)、ウンセン(春雨*3)でなり、日本語に訳すなら「エビと春雨の蒸し煮」といったところだろうか。

クンオップウンセンは辛くも酸っぱくもなく、タイ料理の固着観念をいい意味で裏切ってくれるはずだ。中華料理*4のような甘辛いしょう油を基礎に、ニンニク*5やショウガ*6の風味も感じられる。さらに、エビのうまみと濃厚なだし汁が渾然一体となり絶妙な味わいに仕上がる。

クンオップウンセンにおける主役は春雨といっても過言ではない。専用鍋に調理の途中で投入される春雨は濃厚なエビのだし汁を含んで蒸しあがる。そのため、濃厚なうまみを吸収している。

調理法は同様だが、カニや鶏肉を使ったオップウンセンもある。だし汁によって風味が変わり、違った味わいを楽しめる。一度食べ比べてみてはいかがだろうか。

  1. エビと春雨の蒸し煮:クン・オップウンセン(กุ้งอบวุ้นเส้น)
  2. カニと春雨の蒸し煮:プー・オップウンセン(ปูอบวุ้นเส้น)
  3. 鶏肉と春雨の蒸し煮:ガイ・オップウンセン(ไก่อบวุ้นเส้น)

クンチェーナンプラー(กุ้งแช่น้ำปลา)

クンチェーナンプラー

クンチェーナンプラーはエビそのものを楽しむ料理である、エビが大皿の上に美しく盛り付けられ、ごおや*7、生ニンニク、薄荷*8などが添えられており、たれであるナンプラー*9と呼ばれる魚じょうゆ*10を付けていただく。一見するとエビの刺身と代わり映えしない料理のように思えるが、クンチェーナンプラー独特の注意点がある。

主役のエビはゆでるか生かを選べる。ただし、タイで生鮮食料品を生食する場合、食中毒の恐れがあるので、細心の注意が必要になってくる。シーフード*11料理を専門に扱っていて店内が清潔に維持されているか。また、海や養殖場の近場かどうかは判断材料となる。安全面に確証を得られない場合、ゆでエビを選ぶのが賢明であろう。

もう一点はたれであるナンプラーが激辛なことである。タイ語で「ねずみのふん」と称される唐辛子がこれでもかと入っており、分量を間違えてしまうと舌の上が大惨事に見舞われる。唐辛子に含まれる辛み成分カプサイシン*12は脂溶性のため、油を使わないクンチェーナンプラーの場合、唐辛子の辛み成分が直に口内を襲うことになる。

唐辛子の辛さで口から火を吹きそうになったら

石臼に大量に入れられたタイの唐辛子

辛さを抑える方法に関してはいろいろ語られている。例えば水を飲んだり、ご飯を食べたりが有名だ。しかし、辛み成分は水溶性ではないため、水を飲んでも根本的な解決にならないことを覚えておきたい。科学的根拠は不明だが、タイ人に教えてもらい効果的だったのが、砂糖をなめたり牛乳やヨーグルト*13などの乳製品*14を飲んだりすることだ。

  1. 砂糖をなめる。
  2. 乳製品を飲む。

タイ風ちまき(บะจ่าง)

タイ風ちまき

ちまきといえば日本でももち米を三角形にしてササの葉などで包む。そして、蒸してから葉をむいて食べる料理で、タイでも同形のちまきが販売されている。レストラン*15のメニュー*16というよりは地元の屋台や商店でも販売されていて、タイ人が食べ歩きする光景をちょくちょく目にする。

タイ風ちまきにはバナナ*17が用いられている。バナナの葉は厚く熱に強いため、タイ風ちまき以外にもタイの蒸し料理や料理の包み紙代わりにされるなど日常的に使用されている。タイ風ちまきの中身はもち米を鶏肉や豚肉で中華風に味付けし、蒸したものなので日本人にとってもなじみ深いはずだ。

変わり種のお菓子ちまき

もち米を使用した伝統的お菓子が一般的に好まれているタイ。バナナの葉に隠れているちまきの本体がもち米のお菓子であることも少なくない。だから、購入前に「甘い方」か確認しておかないと口の中が「タイ変」になるから注意しておきたい。

まとめ

タイの唐辛子

グルメ*18王国タイへの旅行では自分のお気に入りの料理をついつい注文してしまいがちだ。ふと気が付くと同じ料理ばかりを注文していないだろうか。それでも飽きが来ないのがタイ料理の不思議な魅力だ。

しかし、せっかく本場に行ったのなら、タイ特有の料理を試してみないともったいない。また、国土が日本の1・5倍もあるタイ。地方によって食材や調理法の違いもあり、バンコク*19で生まれ育った「都会っ子」すら知らない物珍しい料理に出会えるかもしれない。

ぜひタイ文化の入り口として東奔西走し、津々浦々のタイ料理を楽しんでもらいたい。全国各地を制覇したころにはタイに関する深い知識が身に付いているはずだ。

ただし、漏れ無く体重が増えてしまうことを申し添えておくが。

(出典:YouTube

*1:【Thai・泰】(Thailand)インドシナ半島中央部にある王国。旧称シャム。13世紀以後タイ人の国が起こり、先住のモン人・クメール人などを合わせ、1782年現ラタナコーシン王朝が成立、1932年立憲君主制。面積51万3000平方キロメートル。人口6598万2千(2010)。国民の大多数が仏教徒。首都バンコク。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*2:【蝦・海老】エビ目(十脚類)のうち、ヤドカリ類・カニ類を除いた一群(長尾類)の総称。また、エビ目全体の総称。約3000種が知られている。体は頭胸部と7節に分かれた腹部をもつ。腹部は長く伸び筋肉に富み、腹肢は一般によく発達して、クルマエビ・オトヒメエビ・コエビでは遊泳肢となる。一般に頭胸部の5対の歩脚のうちの1~3対が鋏脚となる。クルマエビ類とサクラエビ類を除き、雌は産んだ卵を腹肢につけて腹部の下に抱き、孵化まで保護する。海・湖沼・川などの水域にすむ。食用として重要なものが多く、また長寿の象徴としてめでたい動物とされる。海の翁。海の老。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*3:(その形状から名づけた)緑豆(りょくとう)またはジャガイモ・サツマイモの澱粉から作った透明・線状の食品。とうめん。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*4:中国で発達した料理。材料・調味料・調理法の種類が多い。大きくは北京料理・上海料理・四川料理・広東料理の4大料理系統に分かれる。日本の卓袱(しっぽく)料理・普茶料理は、その日本化したもの。中国料理。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*5:【葫・大蒜】 ヒガンバナ科(旧ユリ科)の多年草。二年生作物として栽培。ネギ・ニラなどと同属。西アジア原産といわれる。栽培は東西ともに古い。地下の鱗茎の内部は数個の小球から成り、薬用成分を含み、臭気が強い。食用・香辛料、また強壮薬とする。古名、おおびる。ガーリック。〈 春 〉。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*6:【生薑・生姜・薑】ショウガ科の多年草。原産地は熱帯アジアとされ、世界で広く栽培、日本へも古く中国から伝わった。地下茎は横走して数個の塊をなし、黄色で辛味があり、食用・香辛料、また健胃剤・鎮嘔剤とする。はじかみ。〈 秋 〉。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*7:ウリ科のつる性一年草ツルレイシ(苦瓜)の沖縄での呼称。ゴーヤー。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*8:【薄荷】シソ科の多年草。山地に自生するが、香料植物として北海道などで大規模に栽培。夏・秋に葉腋に淡紅紫色の唇形花を群生。茎・葉共に薄荷油の原料となり、香料および矯味矯臭薬となる。漢方で消炎・鎮痛・健胃剤とする。メグサ。ミント。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*9:【nam plaa(タイ)】(ナンは水、プラーは魚の意)タイ料理に用いる魚醬油。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*10:【魚醬油】 魚介類を塩漬けにして発酵・熟成させて出てくる汁を漉して作った調味料。いかなご醬油・いわし醬油の類。秋田の「しょっつる」はその一つ。魚醬(ぎょしょう)。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*11:【seafood】魚介類・海藻類などの水産食品の総称。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*12:【capsaicin】トウガラシの辛味成分。化学式C18H27NO3 殺菌作用があり、唾液や胃液の分泌を促し、皮膚や粘膜の血管拡張を起こす。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*13:【Joghurt(ドイツ)】牛乳・羊乳・山羊乳などを乳酸発酵によって凝固させた食品。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*14:牛乳を加工した製品、すなわちバター・チーズ・練乳・粉乳などの総称。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*15:【restaurant(フランス)】西洋料理店。日本では1857年(安政4)頃長崎に、62年(文久2)横浜に開業。洋食屋。レストラント。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*16:【menu(フランス)・(イギリス)】献立。献立表。特に西洋料理のものをいう。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*17:【banana・甘蕉】バショウ科の多年草。雌雄異花だが、ふつう単為結実し、種子を作らない。熱帯アジア原産。ブラジル・インド・フィリピンなど熱帯各地で広く栽培される。果実は熟すと黄色になり、芳香美味。生食用のほか料理用など品種が多い。日本では主にフィリピン・エクアドルなどから輸入。実芭蕉。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*18:【gourmet(フランス)】おいしい食べ物・食材。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*19:【Bangkok】タイ王国の首都。メナム(チャオプラヤ)河口近くにある。米・チーク材などの貿易港として発展、同国の商工業の中心。クルンテープ(「天使の都」の意)で始まる長い正式名称を持つ。人口830万5千(2010)。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)