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一生の旅の思い出に!風光明媚(めいび)な秘境タイの島々

アンダマン海に面する砂浜

タイには旅行者を魅了するビーチを擁する行楽地がいくつもある。しかし、観光地化されている便利さは随所に感じられるが、本物の自然との乖離(かいり)に違和感を覚える場面もあるはずだ。そこで、今回はあまり知られていない「秘島」もご紹介していきたい。

タイの海洋国立公園

タイの砂浜でのパラセーリング

タイ*1には海洋国立公園として指定されている地域がある。海洋国立公園指定地域は国が管理しているが故に、水上バイク、パラセーリング*2、バナナボート、その他の騒音を伴うマリン*3アクティビティー*4が禁止されている。

一方、海洋国立公園に指定されていないビーチ*5では厳格な禁止事項はなく、いわゆるにぎやかで自由な雰囲気を満喫することができる。しかし、自然が保護されていないとも換言できるのを覚えておくべきだ。

名の知れたビーチ

大勢の人でにぎわうパタヤの海

プーケット*6やパタヤ*7はタイ旅行が未経験でもご存じではないだろうか。多数の日系企業が進出しているタイでは仕事の後の骨休めに、現地従業員がビーチを案内してくれる場合もあるだろう。これらのビーチ*8のかいわいは活気があり、有名なホテルが立ち並ぶ「南国リゾート*9」と呼ぶにふさわしい。

ベトナム戦争を契機に開発された「パタヤ(พัทยา)」

夜のパタヤの海岸線

タイ中部チョンブリー県の沿岸がタイ最大の海洋リゾート地のパタヤである。首都バンコク*10からタクシー*11で2時間30分と程近い。また、工業都市であり、タイ最大の国際港レムチャバンに近いため、いつもたくさんの人でごった返している。

美しさや海の透明度は他のビーチに遠く及ばないが、南国ビーチ特有の国際的で開放的な雰囲気がある。また、「世界一下品な街」の異名でやゆされることもあるが、深夜まで遊びたいならうってつけの場所だろう。

近辺で奇麗な海を求めるなら、パタヤを拠点とするボート*12で、ラン島のツアー*13がお薦めである。

アンダマン海の真珠「プーケット島(เกาะภูเก็ต)」

夜のパタヤの海岸線

島全体で一つの県になっているプーケット島。無論四方八方にビーチがある。パトンビーチ、カロンビーチなど一つ一つに名前が付けられており、性質の異なる合計30箇所以上のビーチがあるとされている。

鳴き砂*14と閑寂さが売りのカロンビーチ沿いには高級ホテルが立ち並んでいる。相反して繁華なパトンビーチ。また、地元民が集うパンワビーチ。同じ島にいながらにして、場所によって異なる時間の過ごし方ができるのは面白い。

犯罪発生率

盛り場と化しているプーケットやパタヤでは犯罪に用心しよう。特に強盗、詐欺、違法薬物の使用・売買などが頻発している。地元民や外国人観光客が巻き込まれる事件も多発している。近年では外国人マフィア*15も増加しており、地元のメディア*16でも注意喚起がなされているそうだ。

あまり知られていない島

タイのポダ島の海辺

それでは本題である「秘島」を取り上げたい。タイには訪れる観光客が割合に少ない島が点在している。観光客があまり訪れない理由はいくつか考えられる。交通手段が発達しておらず、日帰りができず長期旅行になってしまうこと。また、海洋国立公園に指定されているため、どんちゃん騒ぎがしたくても施設が充実していないことなどだ。

特に日本人を含む外国人観光客にとっては敷居が高くなってしまう。なぜなら、自国から直通の交通手段がなかったり、外国語の案内板がなかったりするからだ。

タイ最後の楽園「リぺ島(เกาะหลีเป๊ะ)」

小舟が近くに浮かぶリペ島

タイ南部サトゥーン県に属するリぺ島はタルタオ海洋国立公園の一部である。タイ人からも「タイラスト*17リゾート」と称されている。美麗な砂浜と透き通った海水に感動必至だ。また、手付かずの自然が残っているため、海洋生物の数がタイ随一と言っても過言ではない。

リぺ島はタイ本土のサトゥーン県パクバラ港より60キロほど離れている。そのため、都会の騒々しさがなく、のんべんだらりとした一日をぜいたくに過ごせる。

交通手段は船だけになっている。リぺ島にはタイバンコクから南下する方法か、マレーシア*18側から北上する経路がある。

リぺ島の行き方

バンコクよりタイ南部(ハジャイ)国際空港に移動(飛行機が1日37便以上運行/2018年3月12日現在)し、バスでサトゥーン県パクバラ港に向かう。その後フェリー*19に乗船すればリぺ島に到着。

タイ南部のハートヤイ経由

  1. バンコク (飛行機)→ ハートヤイ国際空港
  2. ハートヤイ国際空港 (バス)→ パークバラ港
  3. パークバラ港 (フェリー)→ リペ島

バンコクからマレーシアのランカウイ国際空港に飛行機で移動し、フェリーでリぺ島に向かう。

マレーシアのランカウイ島経由

  1. バンコク (飛行機)→ ランカウイ国際空港
  2. ランカウイ国際空港 (フェリー)→ リペ島

閑寂の時を過ごせる「ランター島(เกาะลันตา)」

小高い丘の上から望むランター島の浜辺

クラビー県に属するランター島は海洋国立公園に指定され、全体的にひっそりとした雰囲気を漂わしている。特長である長く続く砂浜はマリンアクティビティーや呼び込みなどが禁止されているため、静かな時間が流れている。地元のタイ人も自然体で悠然と接してくれる印象だ。

もしシュノーケリング*20やダイビング*21を楽しみたいなら、ピーピー島をはじめとする遊泳や潜水が可能な場所までのツアーが出ており、ランター島からも依頼できる。日中は近隣の海を謳歌(おうか)して、夜間は海面に揺れる月影を眺めながら、潮騒を背にのんびりと過ごすのも悪くないはずだ。

ランター島の行き方

バンコクよりタイ南部クラビー空港に移動(飛行機は1日19便以上/2018年3月12日現在)後、空港内でランター島行きのミニバン*22タクシーに乗車。

  1. バンコク (飛行機)→ クラビー空港
  2. クラビー空港 (ミニバンタクシー)→ ランター島

絶海の孤島を堪能できる「クラダン島(เกาะกระดาน)」

クラダン島の海でシュノーケリングを楽しむ旅行者

トラン県に属するクラダン島は交通の便の悪さと不便さから知名度が低い。しかし、澄みわたる海水と開発とは無縁の砂浜は「奇麗」の一言に尽きる。タイ本土の海岸から船で1時間ほどの場所にあり、タイ人にさえ知られていないことがある場所だ。

クラダン島には電気が通っていない。そのため、各宿泊施設は自家発電を行っていたり、それすらしていなかったりする。しかし、その便利さを代償に手に入れた絶景は「感激の一色」に心を塗り替えてくれるはずだ。

比類なき自然に満ちあふれており、引き潮になればサンゴ礁や熱帯魚などが海岸線の水面(みなも)から顔をのぞかせるほどだ。砂浜を歩きながら海洋生物たちを眺めるのは貴重な体験になるはずだ。

奇観モラコット洞窟がある無人の「ムック島(เกาะมุก)」

ムック島の海岸

クラダン島を訪れるのであれば、ぜひともムック島にも足を運んでもらいたい。大きな島ではないが、モラコット洞窟あるいはエメラルド*23ケーブ*24と呼ばれる洞窟を通って、ラグーン*25に抜けることができるタイ唯一の場所だ。辺り一面が崖に囲まれており、成り立ちを想像するだけで自然の偉大さを思い知らされる。そして、目前に広がる奇勝に感嘆の声を上げるはずだ。

ムック島には宿泊施設がないため、タイ本土からの日帰りツアーかクラダン島の宿泊を選択することになる。

クラダン島の行き方

バンコクよりタイ南部トラン空港に移動(飛行機は1日6便以上/2018年3月12日現在)。空港でクラダン島ツアーの申し込み。

  1. バンコク (飛行機)→ トラン空港
  2. トラン空港 (ツアー)→ ムック島

タイ深南部の治安

拳銃の発砲で割れたガラス

タイ深南部とはマレーシアと国境を接する南端のナラティワート県とヤラー県をはじめとして、元々独立国でったパッタニー県にマレー人*26の居住しているソンクラー県を含めるのが慣例となっている。歴史的背景からテロリズム*27が頻発しており、タイ政府も治安の維持に難儀している様子だ。

外務省が提供する「海外安全ホームページ*28」ではタイに関する安全情報を随時更新しているので、特にタイ深南部を移動する計画がある場合、治安の動向を注視しておこう。事故や事件に巻き込まれてしまえば、日本国や日本国民にも多大な迷惑を掛けてしまう。「勇気と蛮行とを履き違える」ことだけはないよう肝に銘じておきたい。

詐欺被害に遭う危険

頭を抱える男性

タイは観光業が国内総生産の15%以上も占める観光立国で、特に島では現地人が観光業に従事している割合がさらに高くなる。タイ国内には幾つもの観光ツアーが企画されているが、無論全ての旅情報をウェブサイト*29に網羅するのは不可能だ。とはいえ、事前に情報収集をしなければ、あまり知られていない島においては言語や土地勘が障壁となり、計画通りに目的地にたどり着けないことも起き得るのだ。

そこで、地元の現地ツアーの案内が選択肢に入ってくる。実情は頼りがいがあり、「自分の庭」だけあって知り尽くしている。ところが、落とし穴があることを頭の片隅には入れておきたい。なぜなら、法外な費用を請求したり、込み込み料金を無視したりするなどの「金銭のいざこざ」が後を絶たないからだ。このような厄介なことに巻き込まれないためにも、用心はしておくべきだ。また、いざというときには「財布を渡して命を守る」などの冷静沈着な行動が必要になる。

ただし、旅の途中での「人の優しさ」は骨身に染みるもの、過度な警戒は面白さを半減させるのも事実である。

まとめ

タイの奇麗な海に囲まれた小島

名の知れたビーチは行楽地して整備されている。そのため、海岸までの移動手段から設置されている店舗まで洗練されており、不自由のない長期休暇を満喫するには絶好の舞台といえる。

一方、あまり知られていない島は生涯の宝物となるような景勝で、旅人を迎えてくれる。道中に木製の小舟に乗せられたり、港ではない場所で下船させられたりと予想外は付き物だ。むしろ筋書きのない冒険を楽しむくらいのおうようさを持ちたいところだ。

そして、タイから帰国してから「ゆったりとした心」が、旅の思い出の一かけらだと気付かされると思うのだ。

(出典:タイ国政府観光庁

*1:【Thai・泰】(Thailand)インドシナ半島中央部にある王国。旧称シャム。13世紀以後タイ人の国が起こり、先住のモン人・クメール人などを合わせ、1782年現ラタナコーシン王朝が成立、1932年立憲君主制。面積51万3000平方キロメートル。人口6598万2千(2010)。国民の大多数が仏教徒。首都バンコク。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*2:【parasailing】パラシュートを身につけ、ロープで自動車やモーター‐ボートに引かれて空中に舞い上がるスポーツ。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*3:【marine】「海の」の意。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*4:【activity】活動。遊びや体験。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*5:【beach】浜辺。砂浜。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*6:【Phuket】タイ南部、マレー半島の西にある小島。観光開発が急速に進み、海洋スポーツ基地として発展。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*7:【Pattaya】タイの中央部,バンコク南東のタイランド湾に臨む保養地。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*8:【beach】浜辺。砂浜。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*9:【resort】避暑地。保養地。行楽地。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*10:【Bangkok】タイ王国の首都。メナム(チャオプラヤ)河口近くにある。米・チーク材などの貿易港として発展、同国の商工業の中心。クルンテープ(「天使の都」の意)で始まる長い正式名称を持つ。人口830万5千(2010)。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*11:【taxi】街中などで求めに応じて目的地まで客を乗せ、所定の料金を取る貸切の営業用自動車。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*12:【boot(オランダ)・boat(イギリス)】オールまたは船外機で推進する、甲板のない西洋式の小舟。短艇。端艇。比較的小型の高速船の総称としても用いる。〈 夏 〉/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*13:【tour】周遊旅行。小旅行。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*14:踏むと、きゅっきゅっと音をたてる砂。石英質で、異物が混入していない浜辺や砂漠にみられる。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*15:【mafia(イタリア)】一般に、暴力的犯罪組織。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*16:【media】(medium の複数形)媒体。手段。特に、マス‐コミュニケーションの媒体。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*17:【last】最終。最後。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*18:【Malaysia】マレー半島南部とボルネオ(カリマンタン)島北部から成る国。1963年マラヤ連邦・シンガポールおよびサバ・サラワクが合併して建国。65年シンガポールが分離・独立。立憲君主制。マレー人と華人が人口の大部分を占める。面積33万平方キロメートル。人口2833万4千(2010)。首都クアラ‐ルンプール。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*19:【ferry】渡し船。特に、乗客とともに車両を輸送する船。フェリー‐ボート。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*20:【snorkeling】シュノーケルを装着して水面や水中を遊泳すること。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*21:【diving】水中にもぐること。潜水。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*22:【minivan】貨物兼用の箱型の乗用車。ステーション-ワゴンより少し大きなものをいう。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*23:【emerald】緑色透明の光沢ある宝石。緑柱石で特に美しいもの。緑柱玉。緑玉石。翠玉。緑玉。翠緑玉。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*24:【cave】洞窟。ほら穴。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*25:【lagoon】海の一部が、砂洲や珊瑚礁によって外海と遮断されてできた湖沼。多くは1カ所から数カ所の口があり外海と水が出入りする。塩分は海水に近いか汽水。遠浅の海岸にできやすい。潟湖(せきこ)。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*26:(Malay)マレー半島・インドネシア・フィリピンに広く分布し、オーストロネシア語族のマレー語を話す人々の総称。その多くはインド・中国・イスラム文化の影響を受け、人種的にも混交。水稲耕作・水牛飼育・漁労などを主な生業とし、交易にも活躍。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*27:【terrorism】政治目的のために、暴力あるいはその脅威に訴える傾向。また、その行為。暴力主義。テロ。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*28:インターネットのウェブサイトの最初のページ。サイトにあるデータを総称して呼ぶ場合もある。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*29:【web site】関連のある一連のウェブページがまとまって置かれている、インターネット上での場所。WWWサイト。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)