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猛虎が執念を燃やす!阪神タイガース優勝に必要な課題

虎の縦じま

2005年の岡田彰布監督を最後に優勝から遠ざかっている阪神。先日星野仙一氏が逝去され、選手として下知を受けてきた金本知憲監督も今年こそは是が非でも念願達成に燃えているはずだ。13年ぶりの胴上げに向けて、解決しなければならない問題を追究してみたい。

2018年2月16日:用字用語の整理。

誤算であった若手野手の伸び悩み

福留孝介選手や糸井嘉男選手といったベテラン*1が健在な中、昨年は期待された若手野手がレギュラーに定着しきれなかった。特に北條史也選手や高山俊選手は一昨年に我慢して使い続け、結果を残しつつあっただけに首脳陣は誤算となったであろう。

北條史也選手は昨年、遊撃手として開幕のスターティングメンバー*2をつかみ取るも、思うように結果が出せなかった。そのため、公式戦が始まっていながらにして打撃フォームを模索した。結局終盤戦まで固まらず、その迷いからか守備でも失策が目立つようになり、攻守共に精彩を欠く内容となってしまった。

代わってショートストップ*3を守ったのは新人の糸原健斗選手であった。糸原選手のけがによって大和選手も代役を苦もなくやってのけたが、横浜DeNAベイスターズにフリーエージェント*4によって移籍した。

因って、今年は糸原選手とのレギュラー*5争いになるだろう。本人は競り負けた精神面での弱さを課題に挙げている。強い意思と最大の魅力である本来の打撃を取り戻すことができれば、もう一度輝くことができるはずだ。

打撃成績の比較(2017年公式戦)

  打率 本塁打 打点 OPS
北條史也 .210 3 20 .587
糸原健斗 .259 1 24 .720

また、高山選手もレギュラーを奪還しなくてはならない選手だ。一昨年は新人王を獲得し、昨年はレフト*6の定位置を確保しての開幕であったが、打撃不振で5月には初の2軍降格を経験した。

代わって活躍した中谷将大選手が20本塁打を放ち、定位置を奪われた。今年は恐らく中谷選手との争いになるが、右の「長距離砲」の成長を期待している金本監督の構想では中谷選手が一歩優位かもしれない。また、この中に身体能力では右に出る者がいない江越大賀選手も割って入ってこなくてはならない。

打撃成績の比較(2017年公式戦)

  打率 本塁打 打点 OPS
高山俊 .250 6 24 .669
中谷将大 .241 61 20 .751
江越大賀 .077 0 0 .410

理想はおのおのが結果を残して一軍に定着し、福留孝介選手を休ませながら起用ができる形であろう。昨年の終盤はクライマックスシリーズ*7争いもあり、40歳のベテランに積極的休養を取らせることができず、苦渋の起用となってしまった。顔と読みで打てる福留選手を代打で待機させることができれば、切り札として選手層に厚みを増すことができる。

そして、原口文仁選手も無視できない選手だ。昨年は一塁に守備位置を変えられたが、本来の打棒が奮うことなく、打率2割2分6厘、6本塁打に終わった。本人は「捕手で勝負したい」気持ちがあり、今年は再転向を希望している。本職である捕手として出場することで迷いを断ち切り、打撃が復活すれば正捕手も夢ではないだろう。

ただし、椎間板ヘルニア*8と肩の脱臼を経験しているだけに再発すると選手生命を脅かしかねない。また、特にキャッチャー*9は配球も含め、守備を堅実にこなさなければ、打つだけでは評価されない。盗塁阻止率では昨年セントラルリーグ*102位の梅野隆太郎選手に大きく水をあけられているため、喫緊の課題となるだろう。

守備成績の比較(2016年および2017年公式戦)

  盗塁阻止率 守備率
原口文仁(2016年) .233 .990
梅野隆太郎(2017年) .379 .994

打線の大黒柱である4番打者の不在

昨年のチーム打率は2割4分9厘であり、優勝した広島東洋カープは2割7分3厘。総得点でも阪神が589点に対して広島が736点と大きく差を開けられてしまった。一方、チーム防御率は3.29でリーグ1位。特にリリーフ*11陣は防御率2.68とこちらもセントラルリーグで首位。これらの情報からも優勝には打撃の躍進が目下の課題となっている。

チーム成績の比較(2017年公式戦)

  打率 得点 防御率
阪神タイガース .249 589 3.29
広島東洋カープ .273 736 3.39

前述したように若手野手の台頭は大前提であるが、打線の中心となる4番打者の存在が活性化の鍵を握るだろう。若手にはまだ荷が重く、福留選手や糸井選手といったところが候補になってくる。しかし、長い目で常勝集団を目指すのであれば、実力だけで選ぶのではなく、思い切って育て上げる勇気も必要ではないだろうか。

ところが、韓国プロ野球で2年連続打率3割、30本塁打を記録した新外国人のウィリン・ロザリオ選手を補強した。無論彼がどっしりと4番に座り続ける展開となれば、一気に得点力も上昇し、勝ち星につながるだろう。しかし、ファースト*12の守備位置が詰まることで、伸び盛りの中谷選手や大山選手の出場機会を失わせる編成には疑問符が付いて回る。

昨年に補強したジェイソン・ロジャース選手だが、若手出場の支障になることから金本監督は難色を示したとうわさされている。殊に助っ人に対しては短期間で結果が出なければ失格の烙印(らくいん)を押してきたが、果たして今回はどうなるだろうか。

4番がころころ変わるようであれば、辛酸をなめる一年になってしまう。また、本拠地甲子園球場のライト*13からホームに向かって吹く浜風があるため、やはり地の利を生かして大きいのが打てる「右打者」を据えたいところだろう。

投手陣は藤浪晋太郎投手が第一

昨年の先発投手で、二桁勝利を挙げているのはランディ・メッセンジャー 投手と秋山拓巳投手のみ。本来阪神の支柱となるべき藤浪投手は一昨年からの制球難を克服できず、依然不振にあえいでいる。

チームとして活躍が期待されるのはもちろんだが、野球選手としても今後の野球人生を左右する一年となるのではないだろうか。このままきっかけをつかめず、再起することができないようなら「復活」の二文字は大きく遠のいてしまうはずだ。

ローテーション*14争いでは藤浪投手が実力通りの二桁勝利を挙げ、メッセンジャー投手と秋山投手とともに屋台骨となる。そこへ岩貞祐太投手や青柳晃洋投手が144試合を通して働く。さらに、中継ぎから先発に再び配置転換された岩崎優投手や昨年めきめき頭角を現してきた小野泰己投手の参戦が不可欠だ。つまり、ストレートに陰りが見え始めた能見篤史投手を下克上するくらいの若手の突き上げが必須となってくるはずだ。

2018年阪神の先発ローテーション予想

  1. ランディ・メッセンジャー (右投げ)
  2. 岩貞祐太(左投げ)
  3. 秋山拓巳(右投げ)
  4. 藤浪晋太郎(右投げ)
  5. 岩崎優(左投げ)
  6. 小野泰己(右投げ)

昨年は桑原謙太朗投手の大車輪の活躍と特にマルコス・マテオ投手とラファエル・ドリス投手の二枚看板がうまく機能し、セントラルリーグ随一のリリーフ*15陣を誇った。そこを押しのけて重い直球が武器の石崎剛投手が入ってきてもらいたい。将来の抑えを任せられる力量を持った逸材であるからだ。

2018年阪神の「勝利の方程式」予想

  1. 石崎剛(右投げ)
  2. 桑原謙太朗(右投げ)
  3. ラファエル・ドリス(右投げ)

話題を藤浪投手に戻そう。オフシーズン*16も休まずに体を動かし、ロサンゼルス・ドジャースのダルビッシュ有投手と自主トレ*17を行って、必死に復活の糸口を探っている。彼の復活は阪神だけでの問題ではなく、日本プロ野球の財産という意味でも注目が集まっている。

まとめ

金本監督は昨年で2年の契約が終了し、新たに3年の契約延長が結ばれた。今年は目に見える結果、優勝が期待されるところだ。指揮官は就任以来、戦う姿勢や精神面の強化を意識付けしてきた。次から次へとけが人が出た昨年後半戦でも2位の成績を挙げられた。その要因として精神面での成長を評価しており、選手の意識改革にある程度の手応えをつかんでいるはずだ。

あとは絶対的な戦力の底上げが必要となる。優勝には若手野手の飛躍と藤浪投手の復活なくしてはあり得ないだろう。それが順風満帆にいけば、一気に広島を上回って優勝できるほどの戦力が整う。

一方、停滞してしまえばBクラス*18に陥落してしまう危険をはらんでいるのが現状の阪神である。だから、今春のキャンプ*19は若手にとって熾烈(しれつ)を極める競争にならなければならない。

4年連続最下位と低迷していた阪神に強烈な意識改革を巻き起こし、情熱あふれる采配でセントラルリーグの優勝に導いた、かつての闘将・星野仙一氏が亡くなった。

金本監督が星野氏の熱意にほだされ広島から阪神へフリーエージェント移籍していなければ、阪神での引退も監督就任もなかった。昨年12月の「野球殿堂入りを祝う会」で星野氏は自らの夢を次のように吐露した。

「甲子園で楽天と(阪神が)日本 シリーズをやること。生きている間にやってほしい」

(出典:サンスポ

その願いをかなえることができなかった金本監督は無念に違いない。しかし、星野元監督の背中を見てきた金本監督にとって、今年に懸ける思いは比類なき覚悟のはずだ。野球界に散華した恩師の弔い合戦から目が離せそうにない。

星野氏ならきっと死を悼む涙はもう望まないはずだ。悲願の優勝を果たし、頬を伝う「熱い涙」を天国に届けてもらいたい。

*1:【veteran】ある事柄について豊富な経験をもち,優れた技術を示す人。老練者。ふるつわもの。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*2:〔和製語 starting+member〕試合開始時の出場選手。先発メンバー。スタ-メン。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*3:【shortstop】野球で,遊撃手。ショート。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*4:【free agent】プロ野球などで、出場選手登録日数などの規定を満たしたことにより、他球団と自由に契約交渉ができる権利を有する選手。FA/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*5:【regular】〔レギュラー-メンバーの略〕常に出場する選手。正選手。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*6:【left】〔left field〕野球で,左翼。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*7:〔和製語 climax+series〕プロ野球セパ両リーグで行う,日本シリーズ出場権を争う試合。ペナント戦の上位 3 球団が出場して,2 位・3 位球団が 3 回戦制で対戦,その勝者と 1 位球団(アドバンテージ 1 勝)が 6 回戦制で対戦する。ただし両リーグの優勝球団はペナント戦の勝率 1 位の球団とする。2007 年(平成 19)より実施。CS。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*8:椎間板の内部の髄核が脊柱管内に脱出を起こした状態。腰椎の第四・第五の椎間板部位に多く発生する。脊髄根を圧迫して,座骨神経痛・腰痛などを起こす。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*9:【catcher】野球で,捕手。キャッチ。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*10:〔和製語 Central League〕日本のプロ野球リーグの一。1949年(昭和24)結成。六球団が所属する。セ-リーグ。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*11:【relief】野球で,救援すること。また,救援投手。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*12:【first】(ファースト‐ベースの略)野球で、一塁。また、一塁手。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*13:【right】(right field; right fielder)野球で、右翼。また、右翼手。/出典:広辞苑 第七版(岩波書店 2018年)

*14:【rotation】野球で,先発投手が登板する順序。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*15:【relief】野球で,救援すること。また,救援投手。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*16:【off-season】シーズン外。季節外れ。シーズン-オフ。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*17:〔「自主トレーニング」の略〕プロ野球で,チームとしての練習が禁じられている期間などに,選手が自主的に行う練習。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*18:【B class】2 番目の等級。二流。B 級。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*19:【camp】スポーツ練習のための合宿。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)