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ドラクエ1・2・3を簡潔に説明!ドラクエ11の楽しさ倍増だ

ドラゴンクエスト3~そして伝説へ…のロゴ

今や「ロールプレイングゲームの王者」と形容されるドラクエ。中でも家庭用ゲーム機の黎明(れいめい)期を支えたロト三部作は根強い人気だ。今回は全てのゲームを遊びたいのに時間が取れない方のため、概要をまとめてみた。

2017年9月20日:用字用語の整理。

各作品の粗筋

いにしえの書物

日本初の本格RPG*1で、「1」から試行錯誤を重ね、「3~そして伝説へ…」までは多種多様な実験的な要素が取り入れられたことは、堀井雄二氏への各種メディアのインタビュー*2でも明らかになっている。当記事で使用されている1枚の画像よりも小さい容量の中で、いかにしっかりとしたストーリーが組み立てられるかが、スタッフの腕の見せ所であっただろう。

特にテキストは同時期のRPGと比較して、分かりやすく親近感を抱ける完成度の高いもので、ドラクエがずっと頂点に君臨し続けている一つの要因であろう。文言は平仮名と片仮名のみだった。しかも、片仮名は頻度の高い20字に絞り込まれる制約があったが、それをプレーヤーに意識させないほどの素晴らしい出来栄えであった。このように熟考して決定されたストーリーは、今も昔も周囲に多大な影響力を持ち続けている。

それでは単純かつ深みのある各作品の発売当時の説明書に書かれた「ものがたり」全文と簡略な説明を、時系列に沿って見ていきたい。

ドラゴンクエストIII~そして伝説へ…

ロトの剣

その昔、アリアハン国は世界中を治めておりました。
しかし、大きな戦争が起り、国は分裂してアリアハンも、今では小さな国…。
その戦いののち、アリアハンの勇敢なる戦士オルテガは、火山に落ちて、その命を絶ったと伝えられています。
そして今、国王の待つ城へと向かう、ひとりの若者の姿があります。
この者こそ、あの勇士オルテガの息子だったのです…!
亡き父のあとを継ぎ、冒険の旅に出るという若者に、国王は重要な任務を命じました。それは闇の国より現れた魔王バラモスを倒すこと…。
世界中の人々は、まだバラモスの名さえも知りません。しかし、このままでは世界は、滅ぼされてしまうのです。
アリアハンの若き勇者、それがあなたです。
さあ、仲間を集め、魔王バラモスを倒すべく、立ちあがってください!
こうしてあなたの冒険がはじまったのです…!!

国王から魔王バラモスの攻伐の命令を受け、町にある酒場で仲間を加え、旅立つ。アリアハン大陸を皮切りに世界各地を冒険し、神秘なる宝石オーブを獲得し、不死鳥ラーミアを甦らせる。そして、ラーミアと共に魔王バラモスが待ち受けるネクロゴンドの地に向かう。ところが、バラモスを打ち破った後、驚愕(きょうがく)の事実を知ってしまう。その後、死闘を繰り広げる舞台はかの地に移される。

ドラゴンクエストI

ドラゴンクエストのロゴ

古しえの昔、ここアレフガルドの地は闇に包まれていました。
しかし、伝説の勇者ロトが、闇の支配者であった魔王を倒し、神から授かった光の玉で魔物たちを封じこめたので、この地に平和が訪れたといわれています。
光の玉は、アレフガルドを統治していたラルス1世の手に渡り、長い間、平和が続きました。
しかし、ラルス16世の頃、どこからともなく出現した魔物の権化・竜王が、城から光の玉を奪い、闇に閉ざしてしまったのです。
そのため、世界は調和を失い、再び闇の時代がやってきました。
地には魔物たちがあふれ、いく人もの旅人たちが、その毒牙にかかりました。かつて旅人たちの目を楽しませた美しい野原も、毒の沼に姿をかえ、人々のゆく手をはばみます。
うわさでは、いくつもの町や村が、魔物たちにより、あとかたもなく滅ぼされたそうです。
アレフガルドの地に再び平和を!
しかし、竜王に戦いを挑んだ勇者たちは、誰ひとりとして生きて帰って来ませんでした。
それから何年が過ぎたでしょうか。
偉大なる予言者ムツヘタは、いいました。
「やがて、この地のどこかに、伝説の勇者ロトの血を引く者が現われる。その者が、竜王を滅ぼすであろう」と。
そう、伝説の勇者ロトの血を引く者、それが、あなたです。
この地に残る、勇者たちの数々の伝説を拾い集めながら、見事、竜王を倒してください。
あなたの冒険は、今、はじまったのです。

物語はラダトーム城の玉座の間から始まり、自らが勇者の血を引きし者と告知され、竜王の討伐の勅命を受ける。同室にいる大臣によると、ラルス王の一人娘であるローラ姫が魔物にさらわれ行方知れずという。各地を冒険しながら情報収集を行い、3つの伝説のアイテムを入手し、魔の島に渡るすべを獲る。道中、洞窟に幽閉されたローラ姫を救出し、王女の愛に導かれ勇者の証によって、魔の島へ虹の橋を架ける。無事に魔の島へたどり着いた勇者は、りゅうおうからの悪魔の誘惑を突っぱねて、本性を現した巨大な竜となった最後の関門に立ち向かう。

ドラゴンクエストII~悪霊の神々

ドラゴンクエスト2~悪霊の神々のロゴ

…古しえの昔、伝説の勇者ロトあり。
ロトの血を引きし若者、暗闇の支配者・竜王を倒し、アレフガルドを救う。その若者、ローラ姫なる女性を連れ、この地に来たる。この2人こそ、ローレシアをつくりたる者なり…
これは、ここローレシアの国に古くから伝わる言いつたえです。ローラ姫は、その後、3人の子をもうけ、兄王子には、ここローレシアを。弟王子には、サマルトリアの地を。妹王女には、ムーンブルクの地を与えました。
こうして、ロトの血筋に結ばれた、3つの国には、100年の平和が続いたのでした。
ところが、ある日、ここローレシアのお城にひとりの傷ついた兵士が、たどりついたのです。
「ローレシアの王様!
大神官ハーゴンの軍団が、我がムーンブルクのお城を…!
ハーゴンは、まがまがしい神を、暗闇から呼び出し、世界を破滅させるつもりです。
こ、このままでは、や、やがて、サマルトリアも ローレシアも…。
う…、うぐっ!」
それだけ言うと、兵士は息を引き取りました。
邪神の使途・大神官ハーゴン!彼のため平和が、乱されようとしているのです。
ローレシア国王は、若き王子に命じました。
「王子よ。そなたもまた、勇者ロトの血を引きし者。その勇気と力で、邪教の教祖・大神官ハーゴンを打ち滅ぼしてまいれっ。
サマルトリアとムーンブルクには、おなじロトの血をわけた者がいるはず。彼らを見つけ、仲間にするがよい。
ゆけ、王子よ!」
そう、ローレシアの若き王子、それが、あなたです。あなたの旅は、再び、はじまったのです。

ある日ロトの血縁の3国の一つムーンブルクに、破壊神をあがめる邪教の教祖である大神官ハーゴンが率いる魔物の軍勢が押し寄せ、城は猛火に包まれ、絢爛(けんらん)豪華であったムーンブルク城は、一夜のうちに攻め滅ぼされてしまう。

遠方の同盟国ローレシアに、ムーンブルク陥落の凶報が届くまで、しばしの時間が必要だった。そして、命からがら生き延びた城兵によって、それは通達された。ムーンブルクの滅亡を知ったローレシア王は、息子である王子に大神官ハーゴンの征伐を命じる。旅立った王子は、各地でロトの血を引く仲間と出会い、海を渡り精霊の加護を受け、大神官ハーゴンの牙城があるロンダルキアの台地へと赴く。

各作品のゲームシステム

ゲームシステム

ストーリーと同様に、発展途上から進化を遂げていく過程において、目新しい要素が次々に組み込まれていった。1~3までのおよそ2年間で容量も4倍に増量されたことにより、1では再現できなかった内容が日の目を見た。そして、ストーリーもゲームシステムも、格段の進歩を果たしたのだ。

ドラゴンクエスト1

ドラゴンクエストの主人公

ゲーム容量は64KB*3である。「携帯写真のサイズと同程度」と比喩を使って説明されることが多い。しかし、現在では写真すらこの容量に収まりきらない。

ストーリー・グラフィック・音楽・ゲームシステムなどが、このわずかな空間に詰め込まれているのは、驚異的な努力のたまものだ。また、開始早々の王室が会話の仕方や宝の入手や扉の開け方などを会得する「解説書」代わりになっている点にもあっと言わせられた。

ワードなどで少し文字を書いたら64KBは直ちに超過してしまう。にもかかわらず、1ではRPGの根幹を成す部分は網羅されている。また、堀井氏のテキストの豊かさとゲームバランスの良さも手伝って、今でも楽しくプレーできる。もちろん、ゲーム容量不足を一因とする制約は少なくないが、当時における最善の作品であったと思われる。累算の販売数は約150万本。

ドラゴンクエスト2~悪霊の神々

ドラゴンクエスト2の主人公と仲間たち

1の単独行動と異なり、2では3人のパーティー*4制となった。また、世界の規模が4倍になっただけでなく、楽曲・移動手段・アイテム・呪文などの強化が図られた。ただし、制作期間が極端に短かい8カ月間であったため、ゲームバランスの調整に時間を割くことができないまま、世に放たれてしまった。当時ディレクターだったチュンソフトの中村光一氏は当時の制作状況に後悔していて、いまだに悪夢に襲われるそうだ。しかし、これが「ひょうたんから駒」で、難易度の高さから好評を博すことになった。累算の販売数は約240万本。

ドラゴンクエスト3~そして伝説へ…

ドラゴンクエスト3の主人公と仲間たち

メディアで大々的に取り上げられたこともあり、社会現象にまでなる人気作品となった。発売日には量販店で軒並み行列ができ、学校をずる休みする児童や、かつあげ*5などの恐喝事件に発展するほどであった。

前作のパーティーシステムを進化させ、様々な特性を習得できる転職システムが導入された。マップも実際の世界地図に類似したものとなった。さらに、過去の作品で登場したアレフガルドを別世界として用意することで、規模の大きさだけでなく、既知の場所に千辛万苦を重ねてたどり着いたときの安堵(あんど)と感動をうまく演出した。

前回までのパスワードシステムから一新され、バッテリーバックアップ*6によるセーブ*7を実現。面倒な「ふっかつのじゅもん」を入力することなく、楽にゲームを再開することが可能になった。

おきのどくですが
ぼうけんのしょ3ばんは
きえてしまいました

1と2で「じゅもんが ちがいます」に震え上がったプレーヤーのあらかたが歓迎したはずだ。ところが、ファミコン*8の仕様との不釣り合いから、データ異常や接触不良などでデータが消失してしまうといったことが頻発した。この災難に涙をのんだプレーヤーは数知れぬだろう。

こんな難点もあったが、差し引きすれば圧倒的に醍醐味(だいごみ)が勝る。ドラゴンクエストの名を世に知らしめた名作中の名作である。累算の販売数は約380万本。

まとめ

新しい試みと失敗を繰り返して完成したロトシリーズ。ゲーム容量の制限に打ち勝って、多くのプレーヤーが没頭する作品に仕上げられたのは、堀井氏を初めとする「勇者たち」が既成概念という名のモンスターたちをやっつけてくれたからだろう。

そして、いつしか「ドラクエシリーズ」自身が語り継がれるのであろう。それはまさに「そして伝説へ…」になるはずだ。

(出典:株式会社スクウェア・エニックス

*1:【role-playing game】ゲームの一種。プレーヤーがゲームの世界の中で,ある人物の役割を演じ,さまざまな経験を通して成長していく過程を楽しみながら,目的を達成していくもの。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*2:【interview】新聞・雑誌や放送の記者などが取材のために人に会って話をきくこと。また,その記事や放送。インタヴュー。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*3:【kilobyte】コンピューターの情報量の単位キロバイトを表す記号。1 キロバイトは 1024(=210)バイト。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*4:【party】仲間。一行。特に登山で,行動をともにするグループ。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*5:恐喝して金品を巻き上げることをいう隠語/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*6:【battery backup】コンピューターで,電源を切ってもメモリー上のデータを保持するように,電池で電気を供給する仕組み。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*7:【save】コンピューターで,主記憶装置にあるプログラムやデータなどを補助記憶装置に移すこと。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)

*8:テレビ-ゲーム用コンピューターの商標名。ファミリー-コンピューター。/出典:スーパー大辞林3.0(三省堂 2014年)